田中のくせに!!
そこにはきっとイケメンがいると
信じて疑わなかった3秒前までのあたし
バカ野郎。
「…あー、来たか」
203号室のインターホンを鳴らして、数秒後。
当たり前のように出てきた田中を、あたしは信じられない思いで見つめていた。
お母さんに、「まどか、あんたは明日から暫く、ここでお世話になりなさい!」と渡された地図。
何でもお母さんの学生時代の親友の息子さんが、一人暮らしをしているからと。
「確かまどかと同じ年よ?」なんて言葉に、あたしは胸を高鳴らせた。
同じ年の男の子と同居生活なんて!
まるで少女漫画だ。
そしてその同居人っていうのは、イケメンというのに100%決まっているのだ。
それなのに。
なぜ。
「…何ボーッとしてんの?早く入れば?」
田中!?