田中のくせに!!
男子と女子は棟が別。
男子と別れ、エレベーターにのろうとしたら
「…おいっ」
乗り込む瞬間、グイッと腕を引っ張られた。
目の前でスーッと閉まっていくドア。
「ちょっと!なにっ」
思わず振り向いて、文句を言おうとしたら
「たっ田中?」
「…周防、あのさ」
いつになく真剣な表情の田中。
一体何を言われるのかと、あたしの心臓がドキリと疼いた。
「明日は普通で来いよ」
「…はい?」
普通、って…?
「…っだから!」
イライラしたように言葉を荒げる田中。
「…とりあえず、スカートは戻せ。
じゃ」
「えっちょっ…」
ちょっと!?と呼び止める前に、田中はズンズンと階段を昇って、あっという間にその姿は見えなくなってしまった。
……あたしはいつもより5センチほど短い、スカートを見下ろす。
…やっぱり似合ってなかったのかな…?