田中のくせに!!
『あ、まどか?あたしだけど』
電話の声が友梨から小夏に変わった。
「ちょっと小夏!どういうこと!?別の子とまわるって!」
『ごめんごめん、前の部屋の子に誘われちゃって。
じゃ、そういうことだから』
「そういうことって…!」
プープー…
動揺するあたしを嘲笑うかのように、電話が切れた。
なっなんなのー!?
「…おい、大丈夫か?」
スマホを持ったまま愕然とするあたしを、田中が怪訝そうに見下ろした。
「…な、なんか……友梨も小夏も来ないって」
「はぁ!?なんじゃそら。今、岩槻も来れないって電話きたんだけど」
「えぇ!?」
岩槻くんまで!?
「なんか女子とまわるんだとー」
スマホをいじりながら、あいつチャラ男にでもなる気か?と呆れ顔の田中。
ち、チャラ男の岩槻くん……
それはそれでカッコイイ…けど!!
「じゃぁ、あたしと田中と竹野くんの3人ってこと!?」
「ま、そうなるなー」
その時、ドドドドッと前方から凄い音がして
顔をあげると竹野くんが必死の形相でこちらに走ってきた。
な、なに!?!?