田中のくせに!!



「た、竹野くん!?どうしたの!?」



「ごっごめん、ちょっと緊急事態発生して…!」



「緊急事態!?」




うん、と深刻そうな顔で頷き、額の汗を拭う竹野くん。




「それでちょっと先生に呼ばれて。自由時間回れなくなっちゃったんだ」



「そ、そうなんだ…。あたしに何かできることある?」



「いや!これは委員長としての、俺の務めだから!!」




竹野くんの瞳が使命感に燃えている。




「そ、そっか」



「うん!じゃぁ、そういうことで!!」





そして竹野くんは軽く手をあげると、再びダッシュでどこかに行ってしまった。





「…竹野くん、大変そうだね」



「だな」



「………」


「………」



二人の間に舞い降りる沈黙。





…竹野くんも回れなくなった…ってことは、だってつまり、さぁ。





田中と二人きりってこと!?!?





チャラン♪




その時、あたしのスマホがラインを来たことを知らせた。






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