田中のくせに!!
「まぁ、岩槻とはタイプ違うけど結構かっこよかったし」
そんなことを言いながら田中は水を飲むと、あたしを見てニヤッと笑った。
「周防って結構メンクイ?」
「…は?」
思わず目の前の田中を冷めた目で見る。
「……だったら好きになってないっつーの」
「は?なんて?」
あたしの小さすぎる呟きは、どうやら田中には届いてなかった様子。
「なんでもない!!…言っとくけど、田中は全然イケメンじゃないからね!!」
「は?なんで急に俺の話になんだよ。
つーか、知ってるし!」
腕組みをして、不機嫌そうにあたしを睨む田中。
「知ってるならいいけどね!」
この鈍感やろー。