田中のくせに!!
突然の来客。
ピンポーン
修学旅行が終わって、すっかり元の日常に戻りつつある、ある日曜日の朝のこと。
珍しく、アパートのインターホンが鳴った。
「…周防、なんか宅配便とか頼んだ?」
「ん~?頼んでないと思うけど…」
あたしはソファでトーストを齧りながら、ボンヤリそう答える。
さっき起きたばかりで、何分頭が働いていない。
「誰だ~?」
あたしと対して、すっかりパジャマから部屋着に着替え、紅茶片手に新聞を読んでいた田中は、新聞を閉じ玄関に向かった。
少しして。
ドドドドドッ
そんな物凄い足音が、玄関の方から迫ってくる。
何事!?
「田中!?どうし…」
バンッと勢いよく開いたドアに
振り向いたあたしと
…見知らぬイケメンの視線がぶつかった。
……えー…と。
「「誰!?」」
あたしとイケメンの声が重なる。
「おいっ待っ…」
後から慌てて追いかけてきた田中が
「遅かった…」
深いため息とともに、頭をかかえた。