田中のくせに!!
「田中っ、この人誰…「光!!お前いつの間に彼女出来たんだよ!?!?」
あたしの声に被さるようにして、声を張り上げたイケメンが田中の肩を揺さぶる。
えっ…彼女!?
ってもしや…あたしのこと!?
「やめろって…つか、彼女じゃねー!」
ちょっと喜んでしまったあたしは、そんな田中の力強い否定で我に返った。
でも…なにもそんな速攻で否定しなくたって。
まぁ、事実だけどさ。
「じゃー誰だよ!?」
「…ただのクラスメイトだよ」
「ただのクラスメイト、ねぇ」
田中に腕を振り払われたイケメンが、訝しげにあたしと田中を交互に見る。
「ただのクラスメイトが、何で朝からパジャマで、朝ご飯食ってんだよ!?」
「!!!」
そうだった…!あたしまだ、パジャマのままだったー!!
「それは…」
言い淀む田中。
「それは!!」
あたしは何とか弁解しなければと、ソファを立った。
誤解を解くためには、こうするしかない気がする。
…田中、あたしと付き合ってるなんて、思われるの嫌だろうし。
学校の人じゃないから、別にバレてもいいよね…!
「はじめまして!
あたし、周防まどかっていいます。
田中くんとは高校で、クラスが一緒で…
今、わけあって居候させてもらってます!すみません!」