田中のくせに!!
話を聞くところによると、旭さんは大学4年生。
ミキさんとは高校2年生の時に付き合いはじめて、大学2年生の時から同棲しているらしい。
「ミキはさぁ、ほんっとうにいい女なんだよ!明るくていつも笑顔で、料理がうまくて……怒ると怖いけど…」
「おい、その辺にしてもう寝ようぜ」
旭さんのノロケ話を止めたのは田中。
あたしはテレビを消して立ち上がった。
「じゃぁ、おやすみなさい」
「おやすみ~!」
元気よくそう言って…なぜかあたしの後についてくる、旭さん。
「そっちじゃねーだろ」
田中がすかさず、旭さんの首根っこをつかんで止めた。
「何でだよ~!俺、まどかちゃんと一緒に寝たい~!」
「は?ふざけんなコラ」
田中がおそろしく不機嫌な顔で旭さんを睨む。
「お前は俺の部屋だ!とっとと入れ!!」
そして旭さんを田中の部屋に放り投げた。
「た、田中~。何もそんな怒らなくても……
旭さんもきっと冗談で言ってるだけだし」
「は?冗談?笑わせんな」
田中の鋭い視線が、今度は真っ直ぐあたしを捉える。
「いいか?今夜から寝る時は絶対部屋に鍵かけろ。
わかったな?」
「え~、めんど「わかったな!?」
「…は、ハイ…」
田中の威圧感に圧され、乾いた声で頷くあたし。
「よし、じゃーおやすみ」
そして自分の部屋に入っていく田中…
「おいっ!何勝手に人のベッドで寝てんだよっ!!」
…すかさず、怒声が聞こえた。
「いいじゃん!俺、床じゃ寝れない人なんだよ~」
「知るかそんなこと。降りろ!!!」
「ちょっ、痛い!!」
……賑やかな毎日に、なりそうだな…。