田中のくせに!!
「そ、そんな、キス…とか、大袈裟だよ。おでこだし」
まぁあたしもされた時は、びっくりしたけど。でも旭さんなら、なんていうか…やりそう、というか。やってもおかしくない、というか。
「おまえはバカか!?」
すると、腕をつかむ田中の手に力がこもって
「だったら今ここで俺にキスされても、文句言うな!?」
!?
突然顔と顔の距離が近づく。少し不機嫌そうに細められた瞳が、まっすぐにあたしを捉えていて。
「な…な、なな…」
あまりの近さと田中の爆弾発言に、「な」しか言えないあたし。
田中がそんなあたしを見て、少し驚いたように目を開いた。
「…冗談だよ、バカ。
本気にすんなよ」
そしてスッとあたしの腕をはなす。
田中の熱が離れても。心臓は信じられないくらいバコバコいってて。
…たぶんあたし今、顔真っ赤だ。