田中のくせに!!




「て…いうか、告白、したんだ?」



「はい…なんだか気持ちが、抑えられなくなってしまって…



でも…」




悲しそうに瞳を伏せる莉恩ちゃん。





「無理だって、言われました。きっぱり」



「そっ、か…」





莉恩ちゃんが告白してたのもびっくりしたけど、岩槻くんがそれを断ったのにも少し、びっくりした。




だって岩槻くんは、とても優しい瞳で莉恩ちゃんを、見てたから。



だからあたしはてっきり、岩槻くんにとっても莉恩ちゃんは大切な人なんじゃないかって…思ってたのに。




「でも。ふられたのは別に…いいんです」


「え?」



「わかってましたから。
岩槻先輩みたいに素敵な人が、あたしと釣り合うわけないって…それでも気持ち、伝えたくて。



でも、告白してから岩槻先輩すごく、冷たくなって。


バイトの時も、あまり話してくれなくなって…」





辛そうに唇を噛む、莉恩ちゃん。





「こんなことなら、告白なんてしなければよかった……」





< 284 / 467 >

この作品をシェア

pagetop