田中のくせに!!
「て…いうか、告白、したんだ?」
「はい…なんだか気持ちが、抑えられなくなってしまって…
でも…」
悲しそうに瞳を伏せる莉恩ちゃん。
「無理だって、言われました。きっぱり」
「そっ、か…」
莉恩ちゃんが告白してたのもびっくりしたけど、岩槻くんがそれを断ったのにも少し、びっくりした。
だって岩槻くんは、とても優しい瞳で莉恩ちゃんを、見てたから。
だからあたしはてっきり、岩槻くんにとっても莉恩ちゃんは大切な人なんじゃないかって…思ってたのに。
「でも。ふられたのは別に…いいんです」
「え?」
「わかってましたから。
岩槻先輩みたいに素敵な人が、あたしと釣り合うわけないって…それでも気持ち、伝えたくて。
でも、告白してから岩槻先輩すごく、冷たくなって。
バイトの時も、あまり話してくれなくなって…」
辛そうに唇を噛む、莉恩ちゃん。
「こんなことなら、告白なんてしなければよかった……」