田中のくせに!!
「…だから余計なことって言ったろ?」
呆然とするあたしの隣で、ため息混じりにそう言ったのは田中。
「岩槻にだって色々あんだよ」
「色々って何?」
「それは知らん」
「は?田中頼りになんない。
それでも親友?」
「だから、仲いいからって全部分かるわけじゃないから。
大体、男は女子みたいになんでも報告したりしねーし」
「ふーん…」
そんなもんか。
でも、さっきの岩槻くん、ほんとに
いつもの岩槻くんじゃなかった。
「…絶対に、何かある」
「何かって?」
「それは分かんないけど」
あたしの右脳と左脳がそう言っている!
「なんでもいいけど、首突っ込みすぎんなよ?」
そんな田中の声はもう、あたしの耳になんて届いていなかった。