田中のくせに!!
「…別にいるけど。普通に」
「えっ!?そうなんだ!誰だれ??」
そこまで気にならないとは言っても、いるなんて言われたら当然、誰かは気になるわけで。
「…教えねー」
「はぁ?なんでよ!!」
食べ終わった食器を持って立ち上がった田中を睨む。
「周防には関係ないだろ」
「関係ある!同居人じゃん!!」
「…すぐ誰かに言いそうだし」
「言わない!絶対言わない!!だから教えて?」
必殺☆のウルウル上目使いで田中を見つめると、なぜか頬をひきつらせた田中が
「…絶対にやだ」
そう言い残して、ピシャンッと自分の部屋のドアを閉めた。
「はぁ!?別にいいじゃんケチー!!!!」
そんなあたしの叫びに返答はない。
ふん、もったいぶっちゃって!田中のくせに!!!