田中のくせに!!
「じゃ、チャラ王子とのデート楽しんでね~♪」
そしてあっという間に放課後になって。
小夏と友梨は、そんな適当なことを言ってさっさと帰ってしまった。
二人とも今日の放課後は、彼氏とデートで忙しいらしい。
はぁ、いいなぁ。彼氏がいる人は。
ため息をつきながら、机の中の教科書をカバンの中に突っ込んでいると
「おい」
ふっと目の前に現れた影。
「今日、ホントに行く気?アイツと放課後デート、とかいうの」
「デートじゃないからっ!ただ一緒に帰るだけだし」
「おまえバカなの?」
「は?」
バ、バカ!?
突然の暴言に顔をあげると、どことなく不機嫌そうな田中が見下ろしていた。
「自分がアイツに何されたか分かってんの?
二人きりとか危険すぎだろ」
「…大丈夫だよ、別に。たぶん」
キスのことは反省してた…みたいだし?たぶん…
「たぶんじゃねぇよ」
イラついたような田中の声。