田中のくせに!!
そんなあたしの心の呟きをまるで読み取ったかのように
田中の眉間に皺が寄る。
「ていうか、周防いつの間に瀬名とあんなに仲良くなってんだよ」
「…別に仲良くないよ。普通」
「大丈夫だったんだろーな、今日は」
「何もないよっ!
ただラーメン食べただけ」
あまりの追求ぶりに
おまえは保護者か!?
と言いたくなってくる。
「田中こそ、花凛ちゃんと2人きりになりすぎじゃないの?」
「は?何だよそれ」
「だって花凛ちゃん、まだつきあってるんでしょ、楢崎くんと。
彼氏がいる女の子と2人きりで出掛けるってどうなの?」
あたしは至極、正論を言っているはずだ。
なのに、田中のあたしを見る目は冷たい。