田中のくせに!!
…なんでだろうね、って言われても。
戸惑う自分と、でももう一人
…それを嬉しく思ってしまうあたしがいる。
「だから、あたしまどかちゃんには凄く興味あるんだ~」
花凛ちゃんが、まるで花の咲いたような笑顔でニッコリ笑って言った。
「光はたぶん、まどかちゃんのこと凄く大切に思ってると思うから。友達として」
「…え?」
“友達として”
…さっき一瞬、浮かれかけた心が
そんな何気ない一言で、ズンと重く重く沈む。
…って何ショック受けてんの。
…そんなの分かってたことなのに。
「あたし嬉しいんだよ?光に女の子の友達が出来たのってはじめてだから」
そんなあたしに全く気付かない花凛ちゃんは、どんどん話を進めて。
「あたしと光は、もう友達とか、そんなんじゃないから。
幼なじみだから…どうしたって離れられないの」
“幼なじみ”
…あたしが決して入れない、二人の領域。
「あたしが光を大事なように
…光もあたしのこと、大事に思ってくれてるから」