田中のくせに!!
『お前は俺のこと言うことだけ聞いてればいいんだよ』
学園のちょっと俺様な王子様が、そう言ってヒロインを壁に押し付ける。
『ちょっ…はなしてよ!』
『…俺に口答えすんなよ』
そして2人の顔は近づいていき…
「くだらねー」
「ちょっと!!邪魔しないでよ!」
ついにキス!?
と思わず身を乗り出させた瞬間、いつの間にか隣に座っていた田中が、ボソッと呟いた。
ちなみに今はキッチンのテーブルからソファに移動している。
「大体、こんな自己中な男最悪だろ」
「自己中じゃないし!これは俺様っていうの!」
「同じようなもんだろ?」
「微妙に違うのっ!!」
って。
田中と言い争ってる場合じゃなーい!!
慌ててテレビに視線を戻すと、既にドラマは終わっていてコマーシャルに入っていた。
ああっ!!
キスシーン見逃したー!!!