田中のくせに!!
…って、ここで反応ナシ!?
「ちょっと、無視…」
顔をあげると、思ったよりも近くに田中の顔があって、ドキッとした。
「…うん」
しかも頬杖をついてあたしを見ている瞳が、いつもよりほんの少し、優しい気がして。
「…た、田中は、中学の時はどんな子だったの?」
慌てて文集に視線を戻す。
「どんな子って…別に。変わんねーよ」
「ふーん、中学の時から冷めてたんだ?」
「冷め…?別に冷めてねーだろ俺」
「え~?冷めてるよ。思ってることあんまり表情に出ないし」
修学旅行ですら安定のローテンションだったし。
「…おまえは、思ってること全部顔に出るよな」
ふ、と微かに笑う田中。
「分かりやすすぎ」
「えー?そう!?」
「そうだよ」
田中の手が伸びてきて、グニッとあたしの頬をつまむ。
「ちょっ…いひゃいんですけど?(痛いんですけど)」
「…見てて飽きない」
つままれた手につられて顔をあげると、物凄く優しく笑う田中と目があった。
ドキッと胸が高鳴る。
え…な、何これ。