田中のくせに!!
そしてクルッと振り向くと。
「えっ…なに!?」
スタスタこっちに歩いてくる田中。
そしてあたしの目の前でピタッと足を止めると、神妙な顔で見下ろしてくる。
「た、田中…?」
「…あのさ」
田中がようやく口を開いた。
「……今日、一緒に帰るから」
「………えっ!?」
「よろしく」
「え、ちょっとそれってどうゆう…っておーい!」
聞き返す間もなく、田中は再びクルッと背を向けると、物凄い早足で歩いていってしまった。
…今、一緒に帰るっていった?
…あたしと、田中が?
物凄い勢いで遠ざかっていく田中の背中を見ながら考える。
田中が、一緒に帰ろうって
誘ってくれた…?
嘘ぉ!?