田中のくせに!!
「で、何話してたの?」
小夏が聞くと、あぁ、と友梨が明るく答えた。
「今度みんなで遊びに行こうかって話!カラオケとか!」
「お、いいね〜。
…まどかも行くでしょ?」
と、急にあたしに話を振ってきた小夏。
え、と斜め前から感じるのは、刺すような田中の視線…。
「…う、うん。今度ね…!」
早くこの場から立ち去りたくて、自分の席に向かって歩き出そうとすると
「待てよ」
田中に手首をつかまれる。
「…昨日の…ことだけど」
「………」
「…どういう意味?」
抑揚のない田中の声。
って…意味わかってないの!?
あたしは田中の腕を振りほどいて、クルッと振り向くと
「田中のバカ!鈍感!!」
…大声で怒鳴って、自分の席に着いた。
なに、喧嘩?とクラス中の好奇の視線が集まっているのを感じる。
田中もそれ以上何も言わずに、黙って席に着いた。