田中のくせに!!





「はぁ…」



翌日もまた、小夏の家から、小夏と一緒に登校するあたし…。




「ちょっと、さっきからため息つきすぎ。幸せ逃げるよ?」


「もう逃げてるよ…」




どこまでもネガティブなたあたしに、小夏が息を吐く。





「今日こそ、田中と話しなよ。いつまでも逃げ回ってても、仕方ないんだから」



「………」



「返事は?」



「…ハイ…」



っていったって、一体何を話せって…。





「ま~どかチャ~ン♪」




出た…。





振り向く前に、背中に衝撃。





「おっはよ~♪」



「ちょっと!急に抱き着かないでよ!?」



「え~いいじゃん~?」




ヘラ~と笑う瀬名晴人を乱暴に引き剥がす。




周りの女子の目が痛いからっ!






「ったく、何でこんなのが人気あるのかなぁ」




確かに顔はイイけど、チャラいし空気読まないし…





「え~なんか言ったぁ?」



「別に~」



「え、なに?教えてよ~」



「だ・か・ら引っ付かないでって!」





すると、そんなあたし達を見ていた小夏が


「あたし、先生に呼ばれてたから先行くわ」とサッサと歩いていってしまった。





< 446 / 467 >

この作品をシェア

pagetop