田中のくせに!!
「はぁ…」
翌日もまた、小夏の家から、小夏と一緒に登校するあたし…。
「ちょっと、さっきからため息つきすぎ。幸せ逃げるよ?」
「もう逃げてるよ…」
どこまでもネガティブなたあたしに、小夏が息を吐く。
「今日こそ、田中と話しなよ。いつまでも逃げ回ってても、仕方ないんだから」
「………」
「返事は?」
「…ハイ…」
っていったって、一体何を話せって…。
「ま~どかチャ~ン♪」
出た…。
振り向く前に、背中に衝撃。
「おっはよ~♪」
「ちょっと!急に抱き着かないでよ!?」
「え~いいじゃん~?」
ヘラ~と笑う瀬名晴人を乱暴に引き剥がす。
周りの女子の目が痛いからっ!
「ったく、何でこんなのが人気あるのかなぁ」
確かに顔はイイけど、チャラいし空気読まないし…
「え~なんか言ったぁ?」
「別に~」
「え、なに?教えてよ~」
「だ・か・ら引っ付かないでって!」
すると、そんなあたし達を見ていた小夏が
「あたし、先生に呼ばれてたから先行くわ」とサッサと歩いていってしまった。