田中のくせに!!
「えっ…ちょ、ちょっと!どこ行くの!?」
「アパート戻る」
「はぁ!?学校は!?」
「…早退する」
「えぇ!?」
わけが分からないまま、強制的に学校を連れ出されて。
「いいから早く入れ」
「えっ…ちょっ押さな…ぶっ」
無理やり部屋にいれられた。
「だから押さないでって言ったじゃん!バカー!」
壁にぶつけた鼻をおさえながら文句を言うと
「おまえがさっさと入らないからだろ」
悪びれもなくそう言った田中が、再びあたしの手首とつかんで、リビングに連行していく。
久しぶりに戻った部屋は
…たった二日ぶりなのに、なんだか酷く懐かしく感じて。
「…座れよ?」
突っ立ったままのあたしに、先にソファに座った田中が促す。
「…………」
あたしは迷った末、田中から一番遠い端にチョコンと腰かけた。