田中のくせに!!
……え。
田中の視線が、まっすぐに立ったままのあたしを見上げた。
「はじめは何も思ってなかったはずなのに。一緒に暮らしていくうちになんか…気になって。
周防と瀬名が仲良くしてんの見てたらなんかスゲー…ムカつくし。
ここ出てくって言われたときは、すげー嫌だった。…ずっと一緒にいたいって思った」
…まるでプロポーズみたいなその言葉に、あたしの涙腺が崩壊しそうになる。
…やめてよ。
「…あたし…勘違いする…」
「だから…勘違い、じゃなくて」
もどかしそうに頭に手をやる田中。
「だから…つまり、俺が言いたいのは」
田中は暫く言いずらそうに視線を彷徨わせた後
不意に立ち上がって
「…えっ…」
わけが分からないままのあたしを、ギュッと抱きしめた。
「俺も、おまえが好き。
すげー好き」