田中のくせに!!
「で。」
急遽呼び出された小夏が、不機嫌そうに腕を組む。
「何であたしが、田中達と遊ばなきゃいけないわけ?」
「だって誘えるの小夏しかいないし…友梨は小野くんと付き合ってるしさぁ」
「ちょっと。あたしも彼氏いるんですけど」
「で、でもほら、小夏はもう付き合って長いじゃん?だから色々大丈夫かな?って……あの…ごめんて!
どうしても岩槻くんの私服姿見たいんだって!
今度駅前のクレープ奢るから今日一日付き合って下さい!」
パンッと顔の前で両手を合わせると、ようやく小夏の表情が少し緩んだ。
「…クレープ…なら仕方ないけど」
「ありがとうございます!!」
小夏はクールな見た目と裏腹に、甘い物が大好物なのだ。
「っていうか」
そこで小夏が、チラリと近くの噴水前に立つ田中に視線を遣る。
「まどかと田中ってどういう関係なの?」
はい?