田中のくせに!!





「お、おぉ…」




いつもはカジュアルな格好が多い周防だけど、今日は赤いチェックのワンピース姿。




…ふーん、こういう格好もいいな……ってちげぇ!!


俺は今怒っているんだ。





わざとムスッとした顔のまま腕を組み、「遅い」と一言、言い放つと





「ほんとごめん!」




俺の前の席に座った周防が、パンッと両手を合わせた。




「実は家出る予定の時間に起きて」




な…なに!?



俺なんていつもより2時間も早起きしてしまったというのに。




…そうか、やっぱり楽しみにしてたのは俺だけだったんだな…




「実は…昨日、今日が楽しみすぎてなかなか眠れなかったんだよね」




しかし次の瞬間、少し恥ずかしそうにそんなことを言い出した周防に、不覚にもキュンとしてしまった。




「バ…バカ野郎!」


「いやうん、ほんとごめん…」


「いや、そうじゃなくて…まぁ、もういい。と、特別に許す」




あんまりか、可愛いこと言うなよ!!






< 464 / 467 >

この作品をシェア

pagetop