田中のくせに!!
「お、おぉ…」
いつもはカジュアルな格好が多い周防だけど、今日は赤いチェックのワンピース姿。
…ふーん、こういう格好もいいな……ってちげぇ!!
俺は今怒っているんだ。
わざとムスッとした顔のまま腕を組み、「遅い」と一言、言い放つと
「ほんとごめん!」
俺の前の席に座った周防が、パンッと両手を合わせた。
「実は家出る予定の時間に起きて」
な…なに!?
俺なんていつもより2時間も早起きしてしまったというのに。
…そうか、やっぱり楽しみにしてたのは俺だけだったんだな…
「実は…昨日、今日が楽しみすぎてなかなか眠れなかったんだよね」
しかし次の瞬間、少し恥ずかしそうにそんなことを言い出した周防に、不覚にもキュンとしてしまった。
「バ…バカ野郎!」
「いやうん、ほんとごめん…」
「いや、そうじゃなくて…まぁ、もういい。と、特別に許す」
あんまりか、可愛いこと言うなよ!!