田中のくせに!!
「な、なんだよ突然!?」
「だ、だって…田中ずっと花凛ちゃんのこと好きだったじゃん」
周防がココアが入ったマグカップに視線を落としつつ、ボソボソとそんなことを言う。
ま、まぁ…確かに。
俺はずっと幼なじみの花凛のことが好きだった。
だけど、もう一人の幼なじみであるタツも、花凛のことが好きなのにも気付いてた。
そして、花凛も…
だけど、別にいいと思った。
タツなら花凛を幸せにしてやれると思ったし…花凛も、タツの隣で、幸せそうに笑ってたから。
だから戸惑った。
俺は花凛のことが好きなハズなのに…
周防が男といると、妙にイライラするし。
特に瀬名は特別周防のことが気になってるみたいだったから、なんだか気が気じゃなかった。
アイツもアイツで、変なとこで危機感ねーし…