田中のくせに!!
「…だ、だって!
少女漫画とかでは、こういう時は普通イケメンって決まってるし!!」
「はぁ?何の決まりだよ、それ。悪かったなイケメンじゃなくて」
機嫌悪そうにマグカップを机に置く田中。
…まぁ当たり前か…。
「ていうかお前、知らなかったんだ?同居人が俺って」
「…あー…うん、全然。田中は知ってたの?」
「知ってたよ。あのうるせぇ女かって、すぐ分かったね」
「う、うるせぇ女!?」
思わず聞き返すと、田中はそれを事もなげにスルーし、立ち上がった。
「お前の部屋、そっちの正面な。もう荷物全部運んであるから。じゃ、詳しい話はまた後で」
そしてあたしには目もくれず自分の部屋に向かうと
ピシャンッ
ドアを閉める。
…なんか田中って、思ったより毒舌?
教室ではそんなイメージ全然なかったのに。
…まぁあんまり話したこともないけど。