田中のくせに!!
「じゃぁ俺ら行くわ。また、たまには三人で遊ぼうぜ!」
「…おー」
「じゃぁね光」
花凛ちゃんがニコッと田中に微笑んで
そんな花凛ちゃんの手を、優しく楢崎くんが引く。
「…まどか?何してんの行くよ?」
彼氏と電話を終えたらしい小夏が、少し先からあたしを呼んだ。
「あーうん、今行く…」
小夏と岩槻くんの方に歩きかけて
ふっと振り向くと
…田中は、人ごみに消えていく二人の後ろ姿を、じっと見ていた。
その表情は見えないけれど。
…たぶん、
それはあの日学校で
花凛ちゃんを見ていた田中の瞳と…
同じ様な気がした。