田中のくせに!!
「…そしたらほら、答え出るでしょ?」
「あっホントだ!さっすが小夏!天才!」
翌日、小夏に教えてもらってその問題は無事解決した。
小夏は、学年のベスト10に入るくらい頭が良い。
テスト前はいつもお世話になってます。
「やっぱり田中と違って頼りになるなぁ、小夏は」
問題集を捲りながらそんなことを言うと、
「何でそこで田中が出てくんの?」
「…えっ?」
小夏が不思議そうな顔であたしを見ている。
…思ったこと全部言っちゃうのがあたしの悪いクセ。
「…こ、この前ちょっとだけ教えてもらったんだよねぇ、数学」
「…ふーん?いつ?」
「…き、昨日?だっけなぁ?」
「ふーん…そうなんだ。いつの間に」
じっとあたしを見る小夏。
「…ちょっと、トイレ行ってくるね!」
…もう小夏とか友梨には言っちゃいたいなぁ、田中と住んでるってこと。