田中のくせに!!
「…ごめん。余計なことした、よね…」
…なんか、つい…
「…別に、いーよ」
気だるそうに壁に寄りかかる田中。
「いいから…変な気つかわなくて。
アイツら、付き合い出したの別に最近じゃないし。…もう慣れてる」
「…でも…」
ちょっと…無神経じゃないの?
そりゃ、二人は田中の気持ちを知らないから…仕方ないのかもしれないけど。
「…って、なんで周防がそんな怖い顔してんだよ」
あたしを見て軽く目を見開いた田中が、困ったように笑った。
「……ごめん…」
「はっ、何か今日の周防、謝ってばっかだなー。お前らしくないぞ」
壁から体を起こした田中は、ポンッとあたしの頭に手を置いて。
「バーカ」
そう言って笑った。