田中のくせに!!




「…ごめん。余計なことした、よね…」



…なんか、つい…



「…別に、いーよ」



気だるそうに壁に寄りかかる田中。



「いいから…変な気つかわなくて。
アイツら、付き合い出したの別に最近じゃないし。…もう慣れてる」



「…でも…」




ちょっと…無神経じゃないの?



そりゃ、二人は田中の気持ちを知らないから…仕方ないのかもしれないけど。




「…って、なんで周防がそんな怖い顔してんだよ」



あたしを見て軽く目を見開いた田中が、困ったように笑った。




「……ごめん…」


「はっ、何か今日の周防、謝ってばっかだなー。お前らしくないぞ」



壁から体を起こした田中は、ポンッとあたしの頭に手を置いて。




「バーカ」




そう言って笑った。




< 79 / 467 >

この作品をシェア

pagetop