田中のくせに!!
「なっ…バカって」
「テストがんばろーぜー」
あたしに背を向け、教室に歩いていく田中。
「あっ、そうだ」
そんな田中の背中を追いかけて、ちょうど隣に並んだ時、田中が思いついたように言った。
「じゃーテストで点数低かった方が、その日の夕飯作る、ってのはどう?」
「…えー…」
不満そうなあたしを、田中が目を細めて見る。
「なんだよ、嫌?
まぁーたぶん、周防が負けるしなー」
…なにっ!?
「…そんなの、わかんないじゃん!」
お言葉ですけど
田中だってたいして頭よくない…はず!
「じゃぁ決まり」
田中がフッと嬉しそうに口角をあげる。
「言っとくけど、おにぎり禁止だから」
「…負けないもん!」