田中のくせに!!
「ちょっと、何笑ってんの?」
「いや…なんか、悩みなさそうだなって」
そして顔を隠すように横を向いて、ククッと笑う。
「失礼な。
あたしだって悩みくらいあるよ!
数学できないとかー、
女子力ないとか、
彼氏できないとか…」
「ふーん?」
なんて相槌をうちつつ、半笑いの田中。
「ちょっと。
なんか、バカにしてる?」
「してねーよ、全然。
じゃぁ、とりあえず彼氏でも作ってみれば?」
麦茶の入ったコップに手を伸ばして、軽い感じで言う田中。
「作れるんなら、もうとっくに作ってるよ!
できないから困ってるんでしょー…」
「ふーん、周防の好きなタイプって、どんなの?」
好きなタイプ!?
あたしは例の学園ドラマを思い浮かべる。
「それは「言っとくけど妄想じゃなくてリアルの方だから」
リアルって。
なんかあたしが妄想ばっかしてるみたいじゃん!
なんて思いつつ、確かに今まで好きになった人全員
マンガとかドラマに出てくる人ばっか…かも……