田中のくせに!!
「好きなタイプは…」
自分のあまりの経験のなさに悲しくなりつつ、考える。
うーん…よく、わかんないかも。そう言われてみれば。
「……優しい人?」
まぁ、無難な答えを言ってみた。
「はー?」
すると、なぜか眉間に皺を寄せる田中。
「超ありきたり、超無難」
「だっだって、優しくないか優しいかって言ったら、優しい人のがいいでしょ?」
「こないだは意地悪な人がいいって言ってたじゃん」
「そ、それは…田中が言ったんじゃん、理想と現実は違うって」
あたしだって分かってるんだよ、
ドラマに出てくるような人、現実世界にはそうそういないって。
「ふーん、優しい人、ねぇ」
なんだか納得いかない感じで、オムライスを食べてる田中。
「じゃぁ田中はどうなの?
田中はどんな女子が好きなわけ?」
…あ。
「俺?」
キョトン、とした感じで顔をあげる田中。
…あれ、やばい…かな?
花凛ちゃんのことがあるから、なんか微妙だなって、今までは田中に恋バナふるのは避けてたんだけど。つい…
「俺はー、カワイイ子」
でも田中は特に気にしていないようで、普通に会話を続けてくれたから、ホッとした。