田中のくせに!!




あ~…危なかったー……




ヘナッと壁に寄り掛かり、カバンからスマホを取り出すあたし。




着信相手は、田中。



三浦さんはなんだか不満そうだったけど…



あたし的には、かなり…ホッとした。




今だけは、田中に感謝。





「…もしも~し…」



「周防?あのさー、録画の仕方、お前知ってる?」



「は?そんなの田中の方が知ってるでしょ」




田中んちなんだから。




すると田中は偉そうに




「俺、録画したことねーもん」




なんて言ってきた。




「はぁー!?ちょっとー…しっかりしてよ。

わかった、じゃぁいいよ録画は。小夏に頼むから」



まったく…頼りになんない奴だ。




思わずため息をつくと、電話の向こうで、田中がフッと笑った気配。




「? なんかおかしい?」


「周防さ、やっぱうまくいかねーんだろ、合コン」




!?




見透かしたような田中の言葉。





< 95 / 467 >

この作品をシェア

pagetop