田中のくせに!!
あ~…危なかったー……
ヘナッと壁に寄り掛かり、カバンからスマホを取り出すあたし。
着信相手は、田中。
三浦さんはなんだか不満そうだったけど…
あたし的には、かなり…ホッとした。
今だけは、田中に感謝。
「…もしも~し…」
「周防?あのさー、録画の仕方、お前知ってる?」
「は?そんなの田中の方が知ってるでしょ」
田中んちなんだから。
すると田中は偉そうに
「俺、録画したことねーもん」
なんて言ってきた。
「はぁー!?ちょっとー…しっかりしてよ。
わかった、じゃぁいいよ録画は。小夏に頼むから」
まったく…頼りになんない奴だ。
思わずため息をつくと、電話の向こうで、田中がフッと笑った気配。
「? なんかおかしい?」
「周防さ、やっぱうまくいかねーんだろ、合コン」
!?
見透かしたような田中の言葉。