お前むかつくねん②~人生かけて恋愛するばい
梅の部屋
カランカラン
『いらっしゃいませー、あらー』
『…』
『何つったってるの、こっちきて、座りなさい。何飲む?』
『アイスコーヒー』
『了解。待っててよ』
私、梅田旬、通称梅ちゃん
今日は、待ち焦がれた客が来たわ
この時間に現れたってことは…、まだ、学校休んでるわね
でも、こうして外に出れたってことは、大きな一歩ね
『お待たせ、幸。はい、アイスコーヒー』
『…ありがとう』
なんか、痩せたわね
本当に、高校生が命掛けの恋愛しちゃって
見てるほうがせつなくなるわ
『…おいしぃ。梅ちゃんの煎れたコーヒーは最高だね』
『当たり前じゃない、いつも最高よ』
『…うん、そうだった』
しばらく、幸がコーヒーを飲みながら、ゆったりとした空間を楽しんでいた
何を話すわけでもなく、幸は黙って、コーヒーを飲んでいた
その間、予約の占いのお客さんや、喫茶のお客さんが来たりしてたけど、そろそろかしら?と思って、私は表に準備中の札をかけに行って戻って、私もコーヒーを煎れて幸の横に座ったわ