曖昧な温もり
本編

今思えば軽いノリだった。




ずっと友達だと思っていた男と酒の勢いも相まって関係を持ってしまったのだ。




今となっては何故あんな事をしてしまったのか後悔する日々。




その後、何かが変わったわけでもなく葛城とは友達としてつき合っていたのに、ある日の一言で私の中で蓋をしていた気持ちが疼き始めた。





「最近さ、なんか違うんだよな」




「ん?なにが」




「女抱いてても違和感あんだよ」




「はぁ?なによそれ。意味分かんない」




「 なんか、俺の下で喘ぐ女がお前じゃねぇと気分が乗らねーんだわ」






ぶほぉぉっっ!!!




その場に居た私と香織は同時にコーヒーを吹き出した。




「はあぁあ!?アンタこんな場所でなに言ってんのよ!」




そう。ここは学食のど真ん中で、ただでさえ目立つ容姿の葛城がいるだけで好奇の目が集まってるのになんという爆弾発言を投下してるのか。




「べつに俺は思った事を言っただけだぜ」




「……っ」





私はその場に居続ける度胸がなくなり急いで席を立ち逃げるように学食から飛び出した。
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