曖昧な温もり
「へー、あんた達そんな関係になってたんだ」
香織が冷ややかな視線で私を見つめる。あれから私は香織に捕まり大学近くのカフェで問い詰められているのだ。
「ま、なんにせよ大胆な愛の告白じゃない」
「まさか。アイツは私をからかってるだけ」
「そうかしら。でもエッチは上手いんでしょ?」
「…そんなの、知らない」
上手いかどうかなんて経験の浅い私には分からない。ただあの時、いつもの俺様は影を潜めとにかく優しくて尚且つ激しかった。
でも肌が合うと言うのはああいう事を言うのかも知れない。嫌悪感はまるで無かったし触れ合うのが気持ち良かったから。
「ま、七瀬の場合あんまり男に免疫無いんだから、葛城みたいなのに鍛えられればいいのよ」
冗談はやめてよとその場は笑い飛ばし講義のために大学へ戻った。
しかしその途中でまた私は厄介ごとに巻き込まれてしまったんだ。