よみがえれ誠の魂よ〜天つ風は何処(いずこ)へ〜
『まず、无に聞かせてもらう。正直に言え。
…………この役職に不満はあるか?』
まずは問いてみる。
予想では、否定するだろうな。
无「べ、別に………不満は………。」
ほら、な。
目も泳いでいるし、
无は遠慮しすぎなんだよ。
『…………嘘を言うな。目が泳いでいる。』
そう言うと固まる无。
それを見た周りの奴等は
肯定と受け取ったらしい。
『…………无。キツく言う様だが、
そのままだとわだかまりを持ったまま
過ごす事になる。
思った事だけでも言え。』
そう言うと泣きそうになる无。
何故かそのまま私に抱き着いてきた。
……………ちょ、いきなり何なんだ………。
抗議しようとしたけど、
无「椿ちゃん………このままで
ちょっと居させて…。」
と、无が涙目で言うから黙るしかない。
无「………不満がある訳じゃないけど………。
僕は、或にぃと双子だからって
兄か弟かで優先順位を
決められるのが嫌なんだ………。
誰も僕自身を見てすらくれない。
だから………せめて、実力を見て欲しい。」
おや、无にしてはよく言ったなぁ……。
私が弁解しようと思ったが。
これで、取り敢えず无のわだかまりは
多少なりとは取り除けたか。
さぁ、後は他の奴等の判断だ。
どうなる……………??