よみがえれ誠の魂よ〜天つ風は何処(いずこ)へ〜
椿、哀しみの過去part1
【椿 当時6歳 in沖田家】
母「椿!!!!
何度言えばわかるの!!??
そうじゃないと言っているでしょう!?」
父「お前は沖田総司様の子孫なんだぞ!?
普通の子ではないんだ!!!!
そんな低脳な奴はこの家には要らない!!」
怒鳴る男と女の前には、まだ六つの女の子。
その女の子は、まだ僅か6歳。
女の子がやらされていたのは、剣道だ。
──────そう。
その女の子の名は沖田椿。
当時6歳の椿だった。
沖田家では、何時もの様に私に
向けて罵声がとぶ。
この様な罵声、聞き飽きた………。
6歳にして、既に道場の中では
一番の腕になっていた。
────それもこれも、何故ならば
私は物心ついた頃には、新選組について
ありとあらゆることを聞かされ、
沖田総司の再来として育てられたからだ……。
私の父母は生まれた時から出来が悪く、
それぞれのお爺様とお婆様に
見捨てられたらしい。
だからこそ、私は余計に厳しく育てられた。
そんな私は、生まれた時から親とは違い、
物凄く出来が良かった。
──────だからこそ。
だからこそ、扱いは酷かった。
だけど、今となっては
仕方ないのかもしれない。
自分達の娘である私。
沖田総司の再来とされる私。
父母より出来の良い私。
父上と母上は、どうやって私に
接すれば良いのか分からなかったのだろう。
だから、私は酷い扱いを受けた。
──どうせ、それが私の運命(サダメ)だから。
それに、私が逃げ出さないのには、
他にも訳があった。
私には、弟が居た。
そう、居たんだ………………。