よみがえれ誠の魂よ〜天つ風は何処(いずこ)へ〜
陽「……………え??」
紫「……………………………………は??」
陽紫「「ええええええええ!!??」」
嘘だろ………………!?
沖田総司の子孫がこの女の子だけ…………!?
じゃ、じゃあ、噂になってたこの道場の
天才剣士って一体…………?!
『生憎、この道場には私しか居ない故。
その天才剣士の噂とやらは私の事であろう。』
陽「え??口に出てた!??」
『嗚呼。』
紫「どーするんだよ、近藤局長!!
女とかただの足手まといだろーが!?」
紫苑がそう言うと、彼女から
殺気が物凄く出てきた。
『女は足手まとい………………?
巫山戯(ふざけ)るではない。
女だからと舐める輩は数多く居たが、
生憎敗北した事は無い故。
足手まといと言う為れば、
一本勝負してみてから言うがよい。』
紫「あぁん?!いーだろう。
負けても女々しく泣くんじゃねぇぞ?」
『ほざけ。
自分を買い被る輩に敗北する気は無い故。
何処からでもかかってこい。』
紫「近藤局長!!審判頼む。」
陽「あ、嗚呼…………。
両者、構えて………………
始めっっ!!!!」
スパーーーンッッ!!!!!
───────────は??
嘘だろ…………。
何故、副長である紫苑が………………
一瞬で負けた!!??
陽「しょ、勝、者…………沖田…………。」
紫「嘘だ……………この俺が…………
女に負けるなんて………………!」
『舐めてかかるからだ。
それより貴様らはどうする気だ?
私を勧誘するのかしないのか。』
クスクス笑いながら聞いてくる彼女。
紫苑は気に入らなそうだが、
俺は気に入った。
何より紫苑を一瞬で負かす力があるし、
強気な態度も沖田総司と変わらない。
俺は是非とも引き入れたい。
陽「…………新選組、入ってくれるか。」
『……………………!?
女と知った上でそう言うのだな??
フッ…………………面白い。
良いだろう。新選組に加入しよう。』
陽「!!本当か!?ありがとう!!」
紫「……………ま、取り敢えずこれで
幹部の代表は揃ったな。」
陽「……ちなみに、君は何か誠はあるかい?」
これは一番重要なんだ。
あるかないかで生命にも関わる。
『誠、か…………………。
私は沖田総司の子孫。
同等の誠を誓おう。
近藤勇の子孫、近藤 陽呂殿の
盾となろう。文句はあるか?』
──────っ??!!
驚いた。まさかこんな少女が
こんな事を言うとはな。
……………なるほど。いい女だ。
陽「いや、文句などサラサラないよ。
改めて、新選組局長、近藤 陽呂だ。
これから宜しくな♪」
紫「……………新選組副長、土方 紫苑。
沖田、俺に近づくんじゃねェぞ!?」
ああああ、紫苑はまたそんなことを……汗
『………改めて、沖田総司の子孫、
沖田 椿と云う。年は十六だ。
微力ながらもこの命、新選組の為に
使わせて頂こう。宜しく頼む。』
陽「こちらこそ、な♪」
この時、俺は決めた。
この儚そうな椿を。
男よりも強く男前な椿を。
守りたいと思った。
何故だろうな。
でもまぁ、その気持ちはまた
後ほど考えるとしよう。