よみがえれ誠の魂よ〜天つ風は何処(いずこ)へ〜
弟の名は、沖田 奏。
名の通り、爽やかでとても心の
優しい弟だった。
爽もまた、私と同じく沖田総司の
再来として育てられてきた。
…………が、爽は才能はあったものの、
生まれつき体が弱く、体力も無かった。
だから、沖田総司の再来としてご丁寧に
育てられたのは、私だった。
父母にも、周りの召使い共も、親戚も、
外に居る人達も、誰も信用出来なかった。
──どいつもこいつも、家柄や血筋にしか
寄ってこようとはしない。
そんなこともあり、私の唯一信頼できるのは
爽だけだった………………。
爽「椿姉ちゃん、どぉしたの??」
『大丈夫だよ、爽。
私は、何ともないよ。それより、
爽は何もされてない?』
爽はまだ4歳。
4歳ながらにして、私、
父母以外よりは強かった。
爽も既に父母達が嫌いなのか、
懐く事は無かった。
同じく弟子たちにも。
私、椿と、弟、爽。
私達はお互いしか信じれる者が居なかった。
だから、私の邪魔者だと
思われたのだろうか。
だから、私の成長過程に
邪魔だと思われたのだろうか。
父母は、爽を殺す、と言っていた────
いくら、私を沖田総司の再来として
育てたいのかは知らないが、私の弟、
ましてや自分達の息子を殺すとは
到底思えなかった。
慌てて未然に防ごうと、巧みに説得し、
何とかそのとんでもない計画は阻止した。
かに思えた───────