よみがえれ誠の魂よ〜天つ風は何処(いずこ)へ〜
椿、失踪。
…………………は。
ははは……………っっ。
何だ。上辺だけじゃないか、結局。
何処へ行ってもそうだった。
「女だから。」
「女の癖に。」
「女は要らない。」
結局、どいつもこいつも自分可愛さに
自分の都合を押し付ける。
………何だ。新選組は、新選組だけは
違うと信じていたのに。
もう、全てがどうでも良くなった………。
だんまりを決め込む私に、調子に
乗り始めたのか、紫苑は続ける。
紫「はっ…………正論言われて
怖気付いたか?
そもそも、新選組になる前に人斬ったんなら
犯罪だよな??警察行けよ、警察ww
それかビビったか??
はははっっ、弱『弱いのは百も承知。』あ?」
椿は俯いていた顔を上げる。
紫苑は今更気付いた。
椿の目には、闇しか映っていなかった───
『…………ならば、望み通り出て行ってやろう。
…………土方紫苑。新選組の恥さらしめ。』
そう言って、椿は一瞬で消え去った。
あ、と声を出すまもなく…………。
紫苑はむしゃくしゃしていたため、
椿の事など気にかけもせず、そのまま帰った。
そして、椿は帰って来なかった…………。