よみがえれ誠の魂よ〜天つ風は何処(いずこ)へ〜
楓、副長にブチギレる。
《楓side》
…………可笑しい。
副長と買い出しに行った筈の椿が、
夜になっても帰ってこない。
副長は先程、
「沖田は寄るとこがある、って
何処かに行った」
と言っていたがいくらなんでも遅すぎる。
だから、しつこく副長に問いただしてみた。
楓「副長。椿は何処へ。
何か言ったのではありませんか。
副長、答えてください。
椿は「あああ、うるせぇ!!!!」っ。」
紫「あー、そーだよ。
俺が言ったんだよ、出て行けってな!!」
周りの皆はそれを聞いて唖然としていた。
ただ一人、俺だけは違う反応を見せる。
楓「…………何を言った。」
副長に対しての敬語も忘れてしまう程、
俺は怒りで支配された。
副長はどもりながら先程起こった
事を大まかに話した。
─────そして。
副長が椿に言った内容を聞いて。
副長の頬をぶち殴ってしまった。
楓「……………正直言うと失望した。
まさか副長ともあろう紫苑がそこまで
落ちこぼれていたとは思わなかった。
……………巫山戯るな。何故、
椿の話を聞かない?
椿は殺したくて人を斬ったんじゃない。
───唯一信頼していた弟を、
親の命令により一番弟子に殺され、
怒りで我を忘れ、父母と弟子達を
無意識で殺してしまったのだから………。」
俺がそう言うと、副長は絶望的な顔をした。
やっと、自分の犯した大変な
罪に気付いたのだろう。
……………さて。分かったからには
こうしてはいられない。
すぐさま椿を見つけないと。
楓「禅。居る?」
試しに禅に呼びかけてみる。
禅「何だ??」
と、予想より早い反応ww
楓「椿、探して欲しいんだ。
禅、頼める?」
禅「勿論。では、行って来る。」
そう言って禅は素早く去って行った。
楓「副長。貴方も探しに行きなさい。
反抗は許しませんからね。
では、俺も探してきます。」
そう言い残し、俺は椿を探し始めた。
──────椿、ごめんな。
俺、支えるって言ったのに。
見つけるから、待っててね、椿──────