よみがえれ誠の魂よ〜天つ風は何処(いずこ)へ〜
見つかる椿、謝る紫苑。
《紫苑side》
(助…………け…………て…………)
────沖田!??
何処からか声が聞こえた気がした。
間違いなく、沖田の。
紫「沖田…………何処だっっ!!!」
俺は大慌てで屯所からでる。
昨日から失踪した沖田。
手掛かりも何も無かったから、
尚更慌ててしまう。
(悪かった、沖田………!!!!
お前がそんなに苦しんでると知らず………)
(助…………け…………て…………。)
また、声が聞こえてくる。
その声の発信場所をひたすら探す。
そして、沖田は居た。
何処かのヤクザのアジトの近くに、
力なく倒れていた。
紫「……………………沖田っっ!!!!」
迷わず駆け寄る。
今は沖田が女とかどうとか
関係はなかった。
ただ、仲間として。
同じ志を掲げる同士として。
助けなくては、と思った。
沖田は意識が無かった。
だから俺は声をただかける。
紫「沖田………沖田……………ごめん……!!!!
傷付けて、ごめん…………!!!!」
すると、沖田は微かに動いた。
そして、ゆっくりと目を開ける。
紫「…………!!沖田、良かった…………!!!!
目が覚め……『……我が……名は……殺人鬼、
紅夜叉…………』…………は?うわっ!!」
突然沖田が話始めたと思えば、
三刀流で斬りかかってきた。
紫「っおい……!!!!沖田!!!!
てめぇ、何を……!!…………………え?」
思わず俺は怒鳴ったが、
途中で言葉を失った。
何故なら。
───沖田の目は、闇にしか
染まっていなかったから。
(俺の、せいか…………。)
直ぐに悟る。
沖田の目をここまで闇に染めてしまったのは、
昨日自分自身が言ってしまったあの事だと。
紫「沖田……………ごめん。本当に……ごめん。」