よみがえれ誠の魂よ〜天つ風は何処(いずこ)へ〜
紫苑、女嫌いを克服!?
《椿side》
紫苑の女嫌いは、思っていたよりも
かなり酷かった。
………………私と少しばかり似ているな。
子孫だから。
血筋だから。
だから何だ、という話なのだが。
ただその、子孫だの血筋のせいで、
私は生まれながらにして、
生き方を決められていた─────
目の前には、俯く紫苑。
いつもはあんなに強気なのに、
今はとても儚く脆く見える。
─────そのまま、どこか遠くへ
消えてしまいそうで。
私はそっと、紫苑を抱き締めた。
紫「椿………………?」
『…………確かに、紫苑にとって、
女の人は恐怖でしかないかもしれない。
でも、全てが同じ様な女だけな訳がない。
私は、決して…………………!!
紫苑が嫌な事は、一切やらない…………!!!
絶対に……………!!!!』
最後の方は、思い切り叫んでしまった。
そう言うと、静かに紫苑は涙を流す。
紫「っははっ………………。
ホント、椿に対しては、何にも敵わねぇな。
……………改めて、これからよろしくな、椿。」
そして、これまでに無い無垢な
笑みを向けてくれた。
『……………嗚呼。此方こそ、だ。』
そして私もフッと微笑む。
──────ガターーーン!!!!
その瞬間、部屋のドアがいきなり開いた。
否、開いたと言うより、壊れたが正しいw
壊した奴等は勿論。
陽「紫苑、お前ぇー、良かったな!!」
風「流石、椿さんですね………。」
楓「椿………………凄い…………。」
或无「「椿(ちゃん)流石だ(ね)!!」」
要凰「「椿、すげぇな!!!
それと紫苑、女嫌い克服おめでとう!!」」
禅「流石椿様ですね。
紫苑様、椿様、和解して良かったです。」
─────皆だった。
紫「お、お前等……………!!」
『ははっ、紫苑、良いじゃないか。
お前には、こんなに心配してくれる
仲間がいるからな。』
本当に。良い奴等だな。
いつも茶化しているが、本当は
皆が皆、誰よりも副長である
紫苑を心配している。
紫「ばーか。お前もだろ、椿。
俺達は皆、仲間だからな!!!」
────────!!!!
っ…………………なかなか、嬉しい事を
言うじゃないか。
『嗚呼…………そうだな。』
紫「って訳で…………………………。
これから俺も参戦するぜ?
負けねぇからな♪」
「「「「えぇぇぇぇーー!!??」」」」
『参、戦………………???』
陽「ちくしょー、俺、一番紫苑に
だけは負けたくないんだけど………。」
風「困りましたね…………。
紫苑君はなかなか手強いですからね。」
楓「例え副長と言えど………………
俺は負ける気も譲る気も更々ありません。」
或「えぇー、紫苑まで?!
っかーー。強敵じゃんかよぉーー。」
无「僕だって、皆に負けたくないしっ!!」
要「……………なんか俺、一番遅い気がする。
……………………色んな意味で。」
凰「まぁまぁ……………ww
要、共に頑張ろーぜww」
禅「紫苑様……………。例え紫苑様でも、
俺は、椿様を譲るつもりはありません……。」
???
譲る?
手強い?
負ける?
……………訳わかんない。
ただ一人、男達が争う原因を知らない
呑気な椿であった──────────