よみがえれ誠の魂よ〜天つ風は何処(いずこ)へ〜
みっともなく泣きながら逃げ出してしまった。
今頃、椿様はひたすら敵を
斬っているに違いない。
そんな事を思っていると、ようやく
屯所に着く。
慌てて副長室へ駆け込む。
禅「紫苑様っっっ!!!!!」
俺がいきなり一人で駆け込んできたからか、
思わず固まっていたが、尋常じゃない
俺の様子に、直ぐに察して下さった。
紫「禅。椿は───「椿様がっ………!!」
は??おい、禅、何があったんだっ!!?」
禅「偵察しようとしましたところ、
敵100人強に見つかり………!!!!
椿様が………囮になって……………っっ!!!!」
それを聞いた瞬間、俺以外の男から
殺気がブワッと湧いて出てくる。
陽「へぇー、俺等の大切な椿を、ねぇ……。」
風「その屑さん達にはキツーい仕置きを
しなくてはならなそうですね………。黒笑」
紫「っへぇ~。椿に手ェ出すたァ、
良い度胸じゃねーの。」
楓「………………………嬲り殺す…………。ギランッ」
或无「「椿(ちゃん)をいじめる奴は
俺(僕)が許さないーー!!!」」
要凰「「さてと、俺達の姫様の
助太刀しますか♪♪♪」」
……………流石、椿様です…………………。
何時でも何処でも彼等は椿様を慕っている。
それなのに、俺ときたら─────
紫「禅。お前も行くぞ。
椿助けたいんだろ???」
禅「───────っっ?!?!
………………はいっ!!!」
───────そうだ。
俺は何を恐れていたんだ。
囮に恐れていたのではなく、
今はもう、椿様を失ってしまう事が
一番恐ろしかった。
そう思えるようになれた俺の取る行動は一つ。
─────椿様を、助け出す…………!!!!
だから、待っていて下さい、椿様。
必ず助けに参ります──────