好きって気づけよ。




「ばかじゃないよ! あの男の子がせっかく友だちになってって言ってくれたのに! 友だちは大事なんだよっ!」


「マジでお前なんにもわかってねー……」




必死に話す私を見て、凪くんはあきれたようにため息をついた。



友だちになってほしいと言われて断る理由なんかないはずなのに!



いますぐもどりたいのに、凪くんは私の手を離してくれそうもない。




「本気であいつが“友だち”で止まる気があると思ってんの?」


「へ? ……親友になりたいってこと?」


「ちげーよ。……もういい。お前は昔からそうだから」




疲れた口調でそう言うものの、さっきより優しくなった声に、私の頭にはクエスチョンマークが浮かぶ。



 
< 10 / 356 >

この作品をシェア

pagetop