好きって気づけよ。
眉を下げてお願いすると、舞香ちゃんは数秒後、脱力したように息を吐いた。
そして気を失ったままの栗原くんの肩を軽く蹴る。
わわっ! だ、だめだよ!
「はあ。心愛の頼みなら仕方ないわね」
「あ……ありがとうっ」
舞香ちゃんがしぶしぶといった感じで、栗原くんの腕をぐいっとひっぱった。
な、なんだかちょっと適当な感じもするけど……
「ただし、私ひとりでつれていくわ」
「どうして?」
「気を失ってるとはいえ、こんなやつに触れてほしくないの。心愛は教室にもどってなさい」