好きって気づけよ。
意味がわかんないよ凪くん。
もっと私でもわかるように説明してくれなくちゃ。
昔からそうだってわかってるなら、なおさら。
そういうところ、凪くんはいつも意地悪だ。
怪訝な顔を隠せない私のひたいに今度はデコピンをお見舞いすると、凪くんはまた歩き出した。
「いたっ。凪くんの意地悪!」
「心愛(ここあ)は理解力がなさすぎ」
「じゃっ、じゃあ私でも理解できるように話してよ!」
「めんどい」
「もーっ。……って、待って! 私、鞄まだ教室に置いたままなんだよ!」
私の手をひいたまま、すたすたと正門をくぐろうとする凪くんをあわてて引きとめる。