好きって気づけよ。




ホームルームが終わると、舞香ちゃんが「心愛っ」と厳しい口調で私を呼んだ。


あっ……や、やっぱり。




「栗原に近づいちゃだめって言ったじゃないっ。あの男なにするかわかんないのよ!」


「そ、そんな危険人物みたいな……」


「だから、危険なの! 代わりに行きたい女子なんていくらでもいるんだから、誰かに行ってもらいなさいよ!」




そ、そこまで栗原くんのことを警戒してるんだ……。


保健室から帰ってきてから、さらに舞香ちゃんの警戒心が大きくなってる気がする。



仲良く、なんて無理かなぁ……?

でもこのままじゃだめだってことは、変わらないもん。


栗原くんが少し変わってくれたら、舞香ちゃんももう怒ることはない、と思う。




「舞香ちゃん。私ね、どうしても栗原くんに言いたいことがあるの。だから……行かせてほしいな」



 
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