好きって気づけよ。




口元で手を合わせ、舞香ちゃんを見上げて懇願してみる。

お願い!って気持ちをこめて。




「…………」


「だめかなぁ……?」




なにも言わない舞香ちゃんに、やっぱりだめなのかなと不安になった。


だけど舞香ちゃんは、そんな私の頭に手をおいて、優しくなでた。




「……ったく。それで無自覚なのが怖いくらいだわ……」




舞香ちゃんはあきれたように小さくつぶやくと、「しょうがないわね」と了承してくれた。




「ただし、坂野くん同伴よ」


「うんっ、わかった! ありがとう!」



 
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